有松

少し前に、有松へ出かけてきました。


小さな町ですが、
昔から、「有松絞り」という絞りが作られている町です。
布に糸を通したり結んだりして、染色し、
糸をほどいて、模様を表現します。


どのように糸を通すかで、
模様が変わってくるそうで、模様は100種類以上もあるそう。


その中で特にきれいだな、と思ったのは、
「手蜘蛛絞り」でした。
蜘蛛の巣みたいな模様で、
白と紺の2色なのに、華やか。
http://sousounetshop.jp/?mode=cate&cbid=306909&csid=50


有松・鳴海絞会館に立ち寄ってみると、2Fで実演をされている方がいて、
私の他には、お客さんが1人しかおらず、
私は、ちょうどいい話相手だったのか、
「浴衣にするといいのよ」
「洗濯機でジャブジャブ洗えるし、アイロンかけたらいかんよ」
「少し値段が高いから、一部キズがあるB級品の布を買って仕立てたらいい。」
など、ちょっとお得な有松絞り情報を知ることができました。
(高くて!買えないため、残念ながら知恵は活かせそうにありませんが。。無念)


話しながら、その実演されている方の手を見ていると、
自分の祖母のことを、思い出しました。


祖母は若い頃、梨農家だった祖父のところに嫁いできて、
以来ずっと、農業と家事をしていました。


梨山や畑に出かけて土を触るせいか、
いつも、手の甲は黒く焼けていて、爪は黄色くて分厚かったです。
私にとって、祖母の手はずっとそんなイメージでした。


今年帰省して、祖母と久しぶりに会った時に、
手が白くて、つるりとしているのに気づき、ドキッとしました。
今は高齢なため、農業をしていません。
だから、手が変わっていったんだと思います。
もともとこんなきれいな手をした人だったんだ、と初めて知りました。


もう以前のように働けなくなって、
でも白いきれいな手になって、穏やかな表情の祖母を見てたら、
不思議なような、切ないような気持ちになりました。


それから、こんな風に祖母のことを思い出したのは、
展示されている浴衣を見たせいもあると思います。<続く>